ナチュアのHinterhof

オーガニック・リサイクルなど、地球環境に優しい商材を海外から直輸入しているネットショップ・ナチュアデアエルデの運営者が綴る海外珍道中、日常に起こる珍事件、その他プライベートで感じることを書き散らかします

2012年05月

昨日、鉄板焼きペロリ大会に参戦。
と、その前に。

待ち合わせ場所や時間を漠然としか決めていなかったので、用事を済ませると約1時間ほど出陣には早い。
プラリと立ち寄ったデパートの屋上に、金魚屋さん?ペットショップofフィッシュ?。。。なんと呼べばよいのかわからないが、熱帯魚とは違う金魚とか水道水で飼育出来る魚の販売コーナーを発見。

ブラブラと水槽を眺めて行く。
実家の母親が何とかって名前のペットフィッシュを飼育しているので、水草や水槽グッズなんかあったら、お買い上げして郵送しようかしらと思いながら歩を進めると、後ろに気配を感じる。

じろり。
はうっ!!!
警戒心を込めて振り返るとカメレオンさんが!!

一瞬たじろぐも、横向きの彼or彼女と目が合う。
いや、合った気がする。
自分は、人の黒目の奥の更に黒い部分(角膜?)をじぃっと眺めるのが好きなので、カメレオンの目の奥をじぃっと見る。気のせいか、奴も大きく瞳孔を開いた。

一触即発?!!
ではなく、お互い興味深げに見つめあう。
爬虫類は間近に触れるのは得意ではないし、玄関開けて目の前にいたら悲鳴と共にドアを閉め、二度と開ける事が出来ないのだが、相手が逃げられない状態にあると途端に気が大きくなってくる。
心理分析的に言うと根っからの内弁慶タイプだ。

ひとしきり見つめ合ったので頃合いを見計らい歩を進めると、向かいのガラスケースにイモリさんが!!!
はうぅううっ!!!
流石にイモリさんは見つめる気にもならない。
むしろ都会でも見かけた事があるので
「何故売っている?!」
という疑惑と共にそそくさと通り過ぎた。
想像する以上に動きの早い生き物は苦手だ。

続いて金魚コーナーをテクテク。
小学校の頃、金魚すくいの上手い同級生からお祭りの金魚を6匹ほど貰い受け、
家で育ててみたところ、あれよあれよとスクスク育ち、挙句5-6年くらい生息した。
大きさは尻尾を除いて手のひらサイズ程に成長したため、ご臨終した際には、
水死体となり浮いている金魚の屍を、一体誰が救出するのか、家族間でひと騒動起きた。

そんなアンニュイに浸っていると大きなイケスが現れた。
おや?
覗き込むと錦鯉。
お値段1万7千円〜!!
ほほぉ〜んっ。
しばし眺めながら心の中で
「ポンっ、ポンっ。鯉や、鯉や。」
家康気分で庭の錦鯉に餌を撒く妄想に浸る。

ズラリと並ぶイケス。
記憶の奥底に、大きいイケスのある場所で迷路のようにテクテクしている小さな自分がいた。
(この後、幼稚園まで住んでいた和歌山にそのお店があると知る事になるが、別のお話)

しかし鯉は高いなぁ・・・
迫力は凄いケド、何故他の魚よりもお高いのだろう?

そんな思いがけない癒しを終え、待ち合わせ場所になるであろう場所に向かう。
まだ40分くらい時間がある。
ぼんやりしていると、目の前で路上ライブが始まった。
キーボードがセットアップされ路上にしては本格的なマイクスタンド。
売り出し中なのか、マネージャーらしきスーツマン男子と、シンガーソングライターの女子が現れる。
突然流れ出す「ハナミズキ」。

大絶賛の歌唱力!
という程でもないが、まぁ歌の上手いお姉さんが熱唱しているのを佇みながら耳に入れ、
その場で人間ウォッチングしているような、していないような、心ここにあらずのトランス状態。

ボンヤリ・・・
なんかに似てるなぁ・・・
なんだろう・・・
2番に入る「ハナミズキ」。
ボンヤリ・・・

はっ!
BGMは「ハナミズキ」、就活らしきリクルートスーツの若者が行きかう交差点、ライブに足を止めるオジサン、
何かしらの人間模様。
こ、これは、昔のレーザーディスク時代のカラオケ映像に似ているんだ!!!
ようやく腑に落ちたので、雑念を払い自分のインサイドに意識を集中する。

なんだか、こんな隙間時間も良いなぁ。
ガシガシ仕事するでも、ネットでカチャカチャやるでもなく、ただそこに立ち、心ここにあらず。
もし路上ライブが無く、ただボンヤリこの場に立っているとしたら、
「何やってるんだ?」
と、通りすがりの人々は警戒するんだろうなぁ。

そんな事も考えつつ心と頭のリセットをしたお食事会前の待ち合わせ話であった。


そうこうしながらも無事に母親と再会を果たす残念な兄妹。

翌日早く法事の為お寺に出かけ、その帰りにお墓参りへと足を運ぶ。
テキパキと作業を進める親戚のおいちゃんに指示され、花の水を替え、
お線香のための蝋燭を立てと動いていると、突然、

「ふぎゃあっ!!!」

良く晴れた静かな山間に響き渡る叫び声、と同時に弾け飛ぶ兄。
一同がどよめきながら兄に目を向ける。
場所が場所なだけに白骨でも見つけたのか?!
一心に注目を浴びた兄の口からか細く漏れ出る言葉

「か、蛙。。。。」

小さく呟きながら後ずさる兄。
先ほどまで兄が作業をしていた場所を振り返ると、そこには、
それはそれはTiny雨蛙が墓標?に張り付いていた。

一瞬の沈黙の後、おいちゃんが
「大声出すからどれだけ大きい蛙がいるかと思ったら・・・」
絶句with苦笑。

ご察しのとうり、兄は大の蛙嫌いである。
そのくせ黄緑のジーンズなんてのを履く。
財布も何気に黄緑。
関係ないと言われればそうなのだが、潜在意識の中に気になるアイツとして刷り込まれているのかも??

その後一歩もお墓に近寄ろうとしない兄。
気持ちはわかるのだが何と頼りがいの無い男だ。
染みついた残念さは、空港ピンポンを一発合格したくらいでは拭えないだろう。

そんなこんなでお墓参りも終え、昼食に向かう。
法事の後、いつも食事するホテルのレストランに向かうと、お店とは別のドアに案内される。
どうやら膝が弱い母やおばちゃんの希望で、座敷ではなく椅子のある部屋をお願いしたらしい。

趣の違う重たいドアを開けると、がら〜んとした、だだっ広い空間に長机と椅子が目に飛び込む。
ひいき目に見てもお店とは程遠い部屋で戸惑っていると、
「ココは椅子の席が無いから、普段会議室に使っているところを特別に用意してもらったから」
何の違和感もなくおばちゃんがスタスタと入室。
ま、まぁ気にはしないケド・・・

広い部屋の長机にそれぞれ着席すると、見栄えはどうあれ晩餐会の雰囲気が醸し出される。
椅子の足にゴロゴロがついていたせいで、食事中は地に足をしっかりつけておかなければ、
お箸を持ったままゴロンするという危険との背中合わせを除けばまずまずの食事だった。

さて今回、実は自分のメインイベントは10数年ぶりの親友との再会である!
昨年暮れに同窓会が開催されるとかで連絡があったのをきっかけに再開の運びとなった。

自分とその親友の性格?価値観?考え方?には、共鳴するところが多い。
お互いにキャアキャアはしゃぐタイプでもなく、噂話や常識的な話には興味がなく、
いかに自分たちが楽しい事をするかに全力を尽くしていたと言っても過言ではない。
高校から別だったので、思い出は小中学校が多いのだが、彼女とは冒険物のストーリーが多い。

そんな親友とは、お互い電話や手紙など豆にするタイプでもないので、
10数年ぶりに再開するどころか会話する事が大事件。
まぁ自分がすぐに海外逃亡して音信不通になる彷徨い人だったため、
連絡のつけようがなかったというのがこの10数年の本当のところだ。

自分は、20歳前後の頃、リセット症候群に苛まれ、
今ある生活を捨てて新しい人生を歩むべく、周りの友人、知人に何も言わずに物理的に消える、
というマジックを何度か披露している。
「自分だけの力で何が出来るのかを知りたい!」
なんて、全くもって若気の至りだ。

話が脱線したが、そんな久しぶりの再会を心待ちにしていた矢先、親友から何度かの着信履歴があった。
法事を済ませ、ようやく自分の時間になったので折り返してみると、

「。。。今日、会えなくなったぁ(涙」

開口一番の力のない声。
「オジサンがさっき亡くなって、これから子供たちをお通夜に連れて行かなければならなくなって・・・」
肩の力がスンッと堕ちた。

あまりの突然の事に親友は大号泣したらしいのだが、
その理由は、遠いオジサンの他界ではなく、自分に会えなくなった事を嘆いたらしい。
しかしこればかりはどうしようも無い。

「また実家に帰って来る時連絡するから。。。」
言葉を上の空で呟きながら電話を切る。

残念である。
寄りにも寄って今日かい!!!
と叫びたい気持ちを抑えながら、残念帰省はまだ続いていたかと遠い目になるのであった。


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