まだまだ、初日の話

涙ながらの夕食も終わり、お皿をシンク(流し)に持って行く。
使用後の鍋、調理器具が置いてある。
これを洗うべきか?
ホームステイを初めて体験する人は迷う事が多いと思う。
結論から言うと、合宿などでは無く、あくまでもゲストとして来ていると思えば、片付けを手伝う必要は無い。
ホテルや旅館に滞在して、お皿洗いしたりしないのと同じである。
ただ、善意に片付けするのは良い。
海外を問わず日本でも親しい間柄の場合片付けの手伝いをする感じだ。

しばし悩んでいたところ、マギーから「そのままでいいわよ」的な事を言われた。
気が引けたが、家庭のルールというのはそれぞれだ。
良い子になろうと、しゃしゃり出たところであんまりハッピーじゃ無い事もあり得るので言われるがままにする。

そしてお風呂。
勧められるがまま2階のバスルームに行く。
さて、初めて海外の家庭でお風呂に入る。
ホテルのようにアメニティーグッズが揃っていて、綺麗なバスタオルが置いてある訳でもない。
旅館のように脱衣所がある訳でもないし、しかも土足の国。
まだお客様気分の自分としては、シャワーを浴びた後にパジャマを着てうろうろしていいのか?
そんな事を一つ一つ悩みながら、靴を履いたままバスルームに入った。
2708


早速、持ってきた着替えやバスタオルをどこに置くのかわからない。
ユニットバスで、大きなバスタブ(底が浅く横に長い。猫足ではないが)の横にトイレがあるが、
そこに置くとバスタブから距離があるため確実に床が濡れる。
一先ずバスマットの上に着替えやバスタオルを置く。

さて、この滞在中、重大な過ちを起こし続けていた事がある。
数年後に気付いたのだが、シャワーカーテンの使い方を確実に間違っていた。
そもそも標準的な日本家屋のバスルームにはシャワーカーテンは無い。
何故なら頭や体を浴槽の中で洗わず、洗い場的な場所があるし、そもそもユニットバスではない。

しかし欧米は違う。
バスルームと言うだけあって一つの部屋になっている所もあり、広いしメイクする場所まであったりする。
洗面器でお湯をザバザバ被る場所などなく、むしろ水しぶきを防ぐためにシャワーカーテンが設置されている。
なるほどぉ。
何て思いながらカーテンを閉めたのは良いが、そのカーテンを内側に入れるのか、外側に出すのかがわからない。(この経験は私だけ?)
悩んだ末、内側だと裾の部分が折れ曲がり濡れてしまうのでこれは外側にするものだ!
と、勝手に決め付け、その通り裾が外側に来る状態で使用。
実際にはバス周りが濡れないための防水用カーテンなので内側が正しい。

さて、ここから毎日の悲劇が始まる。
当然、外側に出されたシャワーカーテンは、防いだ水を裾に滴らせバスタブ回りを水浸しにする。
毎回体を拭いた後、バスタオルでその水を拭く。
少し知恵をつけて水をカーテンに弾かせないようにシャワーヘッドを壁よりにし、
体ごと壁に寄り添って洗うなんて事もやってみたりした。
カーテンを内側にすれば済む話なのに、当時は全くそれが間違えていると思わなかったのだ。

未だに海外に行き、シャワーカーテンを見ると当時の事が熱く思い出される。
皆様、くれぐれもシャワーカーテンは内側に!