数年前、ワーキングホリデーで1年間ニュージーランドに行った。

とても貴重な数々の冒険物語は、いつかスタンプラリー記事として紹介するが、
ふと思い出した食器洗いについての話を書き散らかす。

最近、私は食器洗い洗剤を使わず、スポンジと水のすすぎだけで食器洗いを済ませている。
一応、環境にやさしい石鹸素材の洗剤を使用しているので、水質汚染には配慮しているつもりだが、
油汚れじゃない限り水だけで十分では?という思いからである。

ニュージーランドの食器洗い。
この国の人々は、水をとても節約して使用する。
いや、むしろ「日本人は水の無駄使いをする!」と、シャワーの前に言われた事が何度かある。

私はWWOOFF(World Wide Opportunities on Organic Farms)という、
4時間ファームで働く代わりに、食事と宿泊を提供、というシステム。
そのシステムを利用して、ニュージーランドの農家を点々と旅しながら渡り歩いていた。

ある時、ディッシュウォッシャーで洗わない鍋や、オーブン皿などを洗おうと蛇口をひねった瞬間っ
「NOっ!」
と慌てて水を止められる。
どうやら「シンクの栓をせずに水を出すな!」と言う事らしい。

お世話になっていたホストファミリーのお姉さんが、
栓をして水を薄く溜めたシンクに食器洗剤を入れてブラシで泡立てる。
そこに汚れた鍋などを入れてガシガシする。
ほほぉ〜んっ...と、見よう見まね。
そして栓を抜いてすすごうと水を出すと
「NOっ!!」
再び....。

また栓?...と思いきや、驚いた事にもう洗い終わったと言う。
なにっ?!

そう、ここでは洗剤をすすぐという事があまりない。
洗剤は口に入れても大丈夫という事もあるらしいが、やはり水の節約である。
ほんのり泡がついたままでも水切りに置いて終わり。最初は気になったが、やはり慣れるものである。

帰国して数年、当時ほど節水に気を使っていない自分がいる。
まだまだ意識しなければ出来ない事がたくさんある。
あたり前の習慣を見直すのはなかなか時間がかかるものだ。